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トランペット吹きなら知っておきたい王道の交響曲5選!

トランペットが輝く王道の交響曲
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トランぺッターこそ交響曲を聴くべき!

全国のトランペット吹きの皆さん、こんにちは。
皆さんは、今どんな曲に取り組んでいるでしょうか。

吹奏楽部では、オーケストラの楽曲の吹奏楽アレンジ版を演奏する機会がたびたびあるかと思います。
特に吹奏楽コンクールでは、自由曲としてオーケストラの曲を演奏する学校も多いですよね。
ただ、吹奏楽で取り上げられるのは楽章構成のない「管弦楽曲」であることが多く、長大な「交響曲」をフルで演奏する機会は、めったにないのではないでしょうか。
また、オーケストラはあくまでヴァイオリンなどの弦楽器が主役ですから、トランペットが主役を張る楽曲はそれほどありません。
何より、交響曲というと何やら「お堅い」音楽というイメージが先行して、とっつきにくいという人も多いでしょう。
そうした理由で、吹奏楽でトランペットを吹いている&吹いていた人の多くは、交響曲にそれほど馴染みがないと思います。

でも、交響曲を聴かないのは、ハッキリ言ってもったいない!
本当に鳥肌が立つほど、トランペットがカッコいい交響曲もあるのです。

私は大学に入ってすぐ、トランペットを携えてその大学の学生オーケストラに入団しました。
入ったばかりの頃は、有名とされている交響曲でさえほとんど知りませんでしたが、演奏に参加したり、先輩に音源を聴かせてもらったりして、魅力的な交響曲を少しずつ覚えていきました。
いくつかの曲を「ぜひいつかやってみたい!」と思うようになり、それが目標となってトランペットの練習にもいっそう励むようになっていったのでした。

というわけで、この記事では「トランぺッターにこそ聴いてほしい」有名な交響曲を、5曲ご紹介します。
「王道」といってもいい超有名曲ばかりですので、「そんなの知ってるよ!」という曲もあるかもしれません。
そういう方は、この機会に自分に合った演奏の音源を探してみるのもいいかもしれませんよ?

オーケストラのトランペットの特徴については別の記事でお話ししていますので、よろしければそちらも参照してみてください。

トランペット吹きのための「王道」交響曲5選!

①マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調

アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮
hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)

トランペットの独奏で始まる、まさにトランぺッターのためにあるような交響曲!
冒頭の暗澹たるファンファーレから一気に盛り上がる展開は、まさに鳥肌モノです。
それだけに、トランペット奏者にかかるプレッシャーは想像を絶するレベル。
私はあるプロオーケストラの演奏会でこの曲を生で聴きましたが、冒頭のソロを奏でたトランペット奏者の音は、明らかに震えていました……
別の意味でも鳥肌モノの交響曲かもしれません。

第1楽章は、冒頭のソロ以外でもトランペットが目立ちまくり。
吹くにはかなりの技量が要求されますが、この曲を思い切り吹けたらさぞ心地良いことでしょう。

全5楽章構成で1時間以上という大作ですので、全部聴くのは大変ですが、ぜひ一度は通して聴いていただきたいです。
特に第4楽章の弦楽器の美しいメロディは、第1楽章と対照的ですので一聴の価値ありです。

②ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 ニ短調 作品47

ドミトリー・ユロフスキー指揮
モスクワ市交響楽団
※第4楽章のみの演奏動画です。

20世紀生まれの大作曲家・ショスタコーヴィチの代表作。
激動の時代を生きたことを反映してか、彼の作品の多くは重苦しく、暗く、悲劇的です。
この曲も例に漏れず、第1楽章から鬱々とした曲調が続きますが、第4楽章は力強く希望に満ちた展開で劇的に幕を閉じます。

この曲の聴きどころは、もちろんその第4楽章。
冒頭のティンパニの連打から、トランペットの勇壮なフレーズが始まっていきます。
さらに中盤のソロ、そして終盤での圧倒的な盛り上がり
トランペットが随所で大活躍する、稀有な交響曲です。
難易度は高いものの、アマチュアオーケストラもよく挑戦する曲なので、演奏するチャンスに恵まれやすいかもしれません。

③チャイコフスキー/交響曲第4番 ヘ短調 作品36

リッカルド・シャイー指揮
ルツェルン祝祭管弦楽団

いわゆる、チャイコフスキーの「後期三大交響曲」の一つです。
第1楽章冒頭のホルンに続くファンファーレで、いきなりトランぺッターの心をわしづかみ!
「力一杯吹いたら、きっといろいろスッキリするだろうな」と思える(?)、日頃のうっぷん晴らしに最適なファンファーレです。
そして第4楽章でも、トランペットは大暴れ。
聴衆が置いてけぼりにされそうなほどハイテンションな第4楽章、とにかく聴いてみてください。

余談ですが、私たちの学生オーケストラでは、この曲の第4楽章で頻繁に出てくる「タタタタタータタターター♪」というフレーズに歌詞を付けた替え歌が流行りました。
どうやらクラシックファンの間では定番の替え歌のようです。
気になった方は、検索してみてください。

④ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14

サイモン・ラトル指揮
ロンドン交響楽団
※第4楽章のみの演奏動画です。

あくまで「音楽」を純粋に楽しむために作られてきた従来の交響曲に対し、物語に沿って劇的に展開していくという画期的な交響曲が、このベルリオーズの「幻想交響曲」です。
そのストーリーは、「若い音楽家が恋に悩んだ挙句アヘンによる服毒自殺を図るが、死にきれずにさまざまな幻想を見る」というもの。
5つの楽章のそれぞれに標題が付けられ、その名のとおり聴いていると幻想的な情景が浮かんでくるように感じられます。
曲中に何度も登場する印象的な旋律は、作曲者の恋人を表しているそうです。

トランペットが最も活躍するのは、第4楽章。
「断頭台への行進」という物騒なタイトルがついたこの楽章で、まさにその行進曲を奏でます。
主人公が断頭台へたどり着き、まさにその首が落とされようとする寸前。
例の恋人を表す旋律が、主人公の脳裏をよぎるかのようにクラリネットでか細く吹き鳴らされます。
そして、束の間の静寂の後――

死へといざなうトランペットの行進曲が、明るく勇壮なのがかえって悲劇を色濃く感じさせます。

今回ご紹介している作品の中で、唯一、私が実際に演奏会で吹いたことのある曲でもあります。
演奏者の立場でいうと、第1楽章で例の恋人の旋律を吹き鳴らす場面が最もテンションが上がるのですが、今回は有名な第4楽章の方を取り上げてみました。

⑤シベリウス/交響曲第2番 ニ長調 作品43

スザンナ・マルッキ指揮
hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)
※再生ボタンを押すと、第4楽章終盤から演奏が始まります。

最後は、フィンランドが生んだ偉大な作曲家・シベリウスの代表作。
第1楽章冒頭から、凍てつく風にさらされた北欧の大地が目の前に広がるようで、日本人の感性に非常によくマッチした作品に思えます。

トランペットも随所で活躍を見せます。
特に第4楽章の主題を盛り上げるファンファーレが印象的なのですが、私が個人的に好きなのは、その第4楽章の後半で繰り返し奏される旋律。
まるで童謡のように素朴なメロディが木管楽器と弦楽器で奏でられ、ノスタルジックな気分が高まっていったところにトランペットが加わります。
木管楽器や弦楽器にはない特有の鋭い響きが、聴き手の心に名残惜しそうに余韻を残して去っていくように感じられるのです。
交響曲の中で、トランペットがこれほど哀しく、寂しく響き渡る曲は珍しいのではないでしょうか。
上の動画ではまさにその部分から再生が始まりますので、ぜひ聴いてみてください。

私がいつかまたオーケストラで吹く機会があれば、演奏してみたい曲の一つです。

自分好みの音源を探そう!

ここまで、トランペットが輝きを見せる交響曲の名作を紹介してきました。
ちょっと私の主観が入り過ぎたかもしれません。
ご容赦ください。

動画も併せてご紹介しましたが、オーケストラの特徴は、指揮者や演奏者によって演奏の雰囲気が全く異なってくることです。
機会があればいろいろな音源を聴いて、ご自分の好みに合った演奏を探してみてください。
そしてもし気に入ったフレーズがあれば、ぜひ自分でも奏でてみてください。
大好きがフレーズが吹けるようになると、練習も俄然楽しくなってくるはずですよ♪

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回の私の話が、皆さんのトランペットライフに少しでも役立てば嬉しいです!

ABOUT ME
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古閑らいこう
トランペット歴25年。小学校でマーチングバンド、高校で吹奏楽部、大学で学生オーケストラに所属し、トランペットを担当。現在は地域の子どもたちの指導にあたっているほか、ビッグバンドのコンサート等で年に数回演奏を披露。

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