演奏会本番! でも緊張してしまう……
今日も楽器練習に励んでいる皆さん、こんにちは。
皆さんは今、どんな曲を練習しているでしょうか?
定期演奏会での演奏曲、吹奏楽コンクールの課題曲や自由曲、
いずれにしろ、何かしらの「本番」に向けてがんばっていることと思います。
本番が近くなってくると、ドキドキしてきますね。
本番のステージに立てば、そのドキドキは最高潮に達します。
「本番でどうしても緊張してしまう」
「ミスをしてしまいそうで、不安で仕方がない」
皆さんは、こんな悩みを抱えていないでしょうか。
「どうしたら本番で緊張せずに演奏できるのか?」
これは、全ての楽器奏者にとっての永遠のテーマかもしれません。
というのも、「全く緊張しない方法」なんて、存在しないからです。
全く緊張しない方法は、ない!
先に結論を言ってしまいました。
もう一度、ハッキリ言います。
「本番で全く緊張しない方法」は、ありません。
まるで湯船に浸かっている時のように、リラックスしきって演奏できる人なんて、
……もしかしたらこの広い世界のどこかにいるのかもしれませんが、
少なくとも私は、見たことも聞いたこともないです。
プロの奏者でも、コンサート本番ともなれば多少の緊張はしています。
それでも素晴らしい演奏を聴かせることができるのは、
「緊張しないようにしている」からではなく、「緊張と上手く付き合っている」からなのです。
息苦しくなるほどドキドキしてしまっては、演奏に支障が出ます。
せっかくのステージなのに、もったいない限りです。
自分の実力をきちんと発揮できるよう、「緊張しすぎる」ことは避けなければいけません。
それには、「発想の転換」が必要です。
具体的には、「緊張をなくす」のではなく、「本番を楽しむ」方法を考えるのです。
緊張するのはなぜ?
そもそも、緊張しすぎてしまう原因は、どこにあるのでしょうか?
緊張の原因①:大勢の人の目に晒される
緊張の原因②:一発勝負のプレッシャー
緊張の原因③:演奏ミスが怖い
緊張の原因 ①:大勢の人の目に晒される
演奏会やコンクールというのは、特殊な環境です。
広いホールの中、演奏者のいるステージはまぶしいくらいの照明に照らされています。
そして、目の前には大勢のお客さん。
めったに体験できない、まさに非日常の世界です。
普通の人であれば、こうした環境の中にいるだけで緊張してしまうでしょう。
しかも、お客さんは演奏を聴きに会場に来ているのですから、
当然、全員がステージを見つめています。
その全ての視線が、自分に向けられているような気がしてしまうものです。
そんな状況では、緊張するのは当たり前ですね。
緊張の原因 ②:一発勝負のプレッシャー
練習では、上手く演奏できなければ、時間の許す限り何度でもやり直すことができます。
個人練習では、苦手な部分だけを納得いくまで繰り返すことができますし、
合奏でも「ちょっとイマイチだったから、アタマからもう一度やってみよう」
なんてことをしながら楽曲の練習に取り組んでいると思います。
でも、本番は一回限り。
指揮者が指揮棒を振り始めたら、曲が終わるまで演奏を止めることはできません。
アンコールは別として、同じステージで同じ曲を二回演奏することもありません。
途中で演奏を止めて、
「すいませ~ん、失敗したんで、今の曲もう一回アタマからやりま~す」
なんていうのは、絶対にあり得ないわけです(演奏以外のトラブルがあったら別ですが)。
お客さんにとっても、毎回練習を聴いているわけではないですから、本番での演奏が全て。
素晴らしい演奏でも、ダメな演奏でも、
その時に聴いた一回きりの印象が、そのまま演奏者に対する印象になるのです。
やり直しのきかない、一発勝負。
何でもそうですが、これほどドキドキするものはありませんよね。
緊張の原因 ③:演奏ミスが怖い
「大勢の人の前で」「一発勝負」の本番ステージ。
そんな中で、万が一ひどいミスをやらかしてしまったら……
想像するだけで震えてきます。
聴いている人からは「あいつ下手だなー」と思われるでしょうし、
演奏全体に響くようなミスだったら、仲間の足を引っ張ることにもなります。
これが、もしもコンクールだとしたら……
恐ろしくて、考えたくもありませんよね。
本番での演奏ミスは、誰もが一番恐れることです。
「今まで練習を積み重ねてきたのに、本番で緊張してミスしてしまったら……」
と考えてしまい、そのせいで余計に緊張する、なんて悪循環にもなりかねません。
緊張への向き合い方
本番の演奏で緊張しすぎる原因として、3つ挙げてみました。
これらとの向き合い方を少し変えることで、緊張を和らげることができます。
ポイント①:本番という状況を楽しむ!
ポイント②:一回限りだからこそ思い切って表現する!
ポイント③:ミスをしても大したことはない!
ポイント①:本番という状況を楽しむ!
大勢の人の前で演奏するというのは、めったにできない体験です。
吹奏楽部などに所属して、定期演奏会やコンクールといった披露の場があるからこそ、経験することができるのです。
本番というのは、時間が早く流れるように感じるものです。
せっかくの貴重な機会を、ガチガチに緊張して頭が真っ白なまま終わらせてしまったら、
こんなにもったいないことはありません。
一緒に演奏する仲間がいるのですから、
みんなで一緒に、かけがえのない時間を楽しんで味わいましょう。
ポイント②:一回限りだからこそ思い切って表現する!
楽器を奏でるのは、何のためでしょう。
楽曲に詰め込まれた魅力を、自分なりに表現するということが、
大きな目的の一つではないでしょうか。
実はこれも、なかなか体験できることではありません。
あなたは縁あって今の楽器に出会い、
そしていくつかの楽曲を演奏できるまでに上達しました。
ここまできたのであれば、せっかくですから、
できるだけたくさんの人に聴いてもらうべきです。
泣いても笑っても一回限りの演奏なら、
今までの練習の成果だけではなく、
音楽を通して今までに思ったこと、感じたことの全てを、
音に込めて会場全体に響き渡らせるくらいの気持ちを持った方が、
演奏を何倍も楽しむことができますし、スッキリするはずです。
ポイント③:ミスをしても大したことはない!
例えあなたが本番でミスをしたとしても、
自分が思うほどには、聴いている人は気にしていません。
私は高校3年生の時の吹奏楽部の定期演奏会で、ある楽曲の短いトランペットソロを任されました。
ところが、本番前日に練習しすぎたために、当日のコンディションは最悪でした。
……今思えば、バカなことをしたものです。
そして、本番の私のソロの出番。
スポットライトが私だけを照らす中、途中までは何とかメロディを吹いていたのですが、
高い音が続く部分に差し掛かった時、
最高音になったところで、全く音が出なくなってしまったのです。
さすがに「ヤバイ!」と思いましたが、その後は低い音だけだったので、
どうにかソロを最後まで吹ききりました。
「ミスしちゃって、恥ずかしいなぁ……」と思っていたのですが、
演奏を聴きに来ていた何人かの友人に後日聞いてみたところ、
なんと、私がミスをしていたことには誰も気付いていなかったのです。
抜けた音符が一音だけだったというのが不幸中の幸いだったわけですが、
聴いている人には、意外とわからないものなのだと気付かされました。
自分では取り返しのつかない失敗だと思っても、
周りの人にとっては案外そうでもなかったりするものです。
たとえバレバレの演奏ミスをしたところで、その後の人生には大して影響ありません(笑)。
それより、ミスを恐れるあまり中途半端な演奏をしてしまう方が、遥かにもったいないです。
人前で演奏するのは楽しい!
いろいろとお話ししてきましたが、「本番で緊張してしまう」という悩みの対処法を、もう一度挙げておきます。
・本番で全く緊張しない方法は、存在しない!
・「緊張しないようにする」のではなく「演奏を楽しむ」!
せっかく楽器と出会ったのですから、誰かに聴いてもらえなければもったいない限りです。
失敗を恐れず、貴重な演奏の機会を、心ゆくまで楽しみましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回の私の話が、皆さんの音楽人生に少しでも役立てば嬉しいです!
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この記事いイイね
私も、小学五年生でトランペットを吹いているのですが、もう少しでアンサンブルコンテストで、とても緊張しているのですが、「楽しむ」ということを大事にして吹きたいと思います!
ありがとうございます!
アンサンブルは少人数で大変なところもありますが、少人数だからこその楽しさもあると思います。
ぜひ、ステージ上での時間を楽しんでください!