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横向きのトランペットは何?その驚きの正体!

横向きに構えるトランペットについて
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あれ?トランペットの持ち方が変?

皆さん、こんにちは!
さて皆さんは、テレビなどでオーケストラの演奏を見ているときに「あれ? あのトランペット奏者、持ち方が変じゃない?」と思ったことはありませんか?

こんな感じ。
普通、トランペットは地面に対して垂直になるように構えるのに、それが水平になっている、言い換えると「横向き」に構えていますよね。
いったい、なぜなのでしょうか?

答えを先に言いますと、これは一般的なトランペットとは違う楽器なのです。
その名も「ロータリートランペット」。
吹奏楽ではまずめったにお目にかかれない楽器なので、トランペット経験者でも知らない方がいらっしゃるかもしれません。

私も、高校時代はロータリートランペットの存在を知らず、普通のトランペットを横に構えて「なんか吹きにくいなぁ」なんて思っていたことがあります(笑)
その後、大学で学生オーケストラに入り、一度だけこのロータリートランペットで演奏する機会がありました。
普通のトランペットと違う点はいろいろあるのですが、個人的にはこの楽器を結構気に入っていて、機会があればまたロータリートランペットを吹いてみたいなぁと思っています。

というわけで、これから「ロータリートランペット」の基本的な特徴についてご紹介していきます。
最後までお読みいただければ幸いです。

ロータリートランペットとは?

ロータリートランペット。
名前からしてトランペットの一種であることは、一目瞭然ですね。
では、「ロータリー」とは何のことなのでしょう?

一般的なトランペットの場合、音の高さを変える際に「ピストンバルブ」というしくみを使っています。
話を分かりやすくするために、ここからはこの一般的なトランペットのことを「ピストントランペット」と呼ぶことにしますね。
ピストントランペットの音の高さを変えるしくみについては、以前の記事で詳しく取り上げていますので、よろしければこちらもお読みください。

これに対して、ピストンバルブの代わりに「ロータリーバルブ」という機構を使って音の高さを変えているのが「ロータリートランペット」なのです。
ロータリーバルブを使っている楽器の中では、ホルン(フレンチホルン)がもっとも有名ですね。

ホルンのロータリーの場所

簡単に言うと、「ホルンと同じしくみで音を変えるトランペット」が「ロータリートランペット」だということです。

なぜ横向きに構えるの?

ロータリートランペットは、ピストントランペットができて間もない頃、オーストリアのウィーンで開発されたそうです。
ドイツやオーストリアのオーケストラでは、今でもピストントランペットよりロータリートランペットの方が主流になっています。
このため、ロータリートランペットは別名「ドイツ管」とも呼ばれます。

ロータリーというのは、レバーを押すと軸が回転して音が変わるしくみです。
その構造上、レバーを操作しやすいように楽器全体を横倒しにして構えるようなデザインになったのですね。

普通のトランペットとどう違うの?

ロータリートランペットとピストントランペット。
見た目や構え方以外に、どんな違いがあるのでしょうか?
いくつかの点に着目して、詳しく見ていきましょう。

①運指

運指は、ロータリートランペットもピストントランペットも全く同じです。
ですから、もしいきなりロータリートランペットを吹くことになったとしても、心配することはありません。
ただし、ロータリートランペットには「キー」という部品が備えられている場合があります。
これは木管楽器と同じしくみで補助的に音を変えられるもので、使いこなせれば非常に便利なものです。
逆に言うと、使わなくても特に支障はないので、あまり気にする必要はないでしょう。
ちなみに私が吹いたことのあるロータリートランペットには、キーは付いていなかったと思います。

②マウスピース

基本的には、ピストントランペットと同じマウスピースを使用できます。
「ロータリートランペット用」と謳っている製品もありますが、カップの深さなどがロータリートランペットを吹くのに適したサイズになっているという意味なので、ピストントランペット用のマウスピースが装着できないわけではありません。

③調性

楽器の調性というのは、簡単に言うとその楽器で「ド」を吹いた時に実際にどんな音が出るか、ということです。
ピストントランペットで最も普及しているタイプのものだと、「ド」を吹いたときに出る音は、ピアノで「シ♭」を弾いたときと同じ音になります。
「シ♭」は英語の音名だと「B♭」なので、このタイプのトランペットを「B♭管」といいます。

「ということは、『ド』を吹いたときに『シ♭』以外の音が出るトランペットもあるの?」と思った方は、とても鋭いです!
まさにそのとおりで、B♭管以外にも「C管」「E管」など、さまざまな調性のトランペットがあります。

さて、ロータリートランペットはどうかといいますと、ピストントランペットと同じように「B♭管」「C管」をはじめ、さまざまな音の高さのトランペットが製造されています。
このため、調性が同じであればピストントランペットもロータリートランペットも同じように吹ける、ということになりますね。

④音色

トランペットの仲間の一つに、「フリューゲルホルン」という楽器があるのをご存じの方もいらっしゃると思います。
「ホルン」の名が付いていることから想像できるとおり、フリューゲルホルンはピストントランペットと比べて非常に柔らかい音色が出る楽器です。

では、ロータリートランペットの音色にはどんな特徴があるのでしょうか?
結論からいうと、ピストントランペットと比べてハッキリと分かるような音色の違いはありません
もちろん全く同じではありませんが、言葉で違いを説明するのは難しいです。
主観によるところが大きいので、聞く人によってだいぶ印象が異なるのではないでしょうか。

私自身は、ピストントランペットは「鋭く華やかな音」、ロータリートランペットは「重厚な響きのする音」というイメージを持っています。
ただし、目隠しされて両方の音を聞かされたら、聞き分けられる自信はありません(笑)

⑤価格

さて、気になるお値段です(笑)
実際のところ、ピストントランペットに比べるとかなり高額ですね。
モノによってピンキリではあるのですが、初心者がいきなり手を出せるレベルの価格ではないと思います。
購入したとしても、実際に使える場面が限定されてしまいますので、個人で買うのはなかなか難しいかもしれませんね。

私は欲しいのですが……少なくとも、今のところは手が出ません。

どんなときに使うの?

ウィーン国立歌劇場

ここまでご紹介してきたように、見た目・音色・価格以外には、ロータリートランペットとピストントランペットに大きな違いはないといえます。
それでは、ロータリートランペットはどんなときに使うのでしょう?

すでにふれたように、ロータリートランペットはウィーンで生まれた楽器です。
このため、オーケストラでオーストリアやドイツの作曲家の楽曲を演奏する場合によく使用されます。
具体的には、モーツァルトやベートーヴェン、ワーグナーといった作曲家ですね。
私も、ロータリートランペットで吹いたのはワーグナーの楽曲でした。

ただし、先ほどご紹介したように、音色もそこまで明確な違いはないので、これらの楽曲は絶対にロータリートランペットでなくてはならない、というわけではありません
でもロータリートランペットを使用すれば、演奏している方も聴いている方も「これがドイツ音楽だ!」という気分になれるのは間違いないでしょう。

トランペットの奥深さ

ここまで、ロータリートランペットについてご紹介してきました。
なかなかお目にかかることのない楽器ですが、次に目にしたときには「お!ロータリートランペットじゃないか!」と思っていただければ幸いです。

ロータリートランペット以外にも、トランペットにはいろんな種類があります。
歴史が古く、奥深い楽器ですので、今後トランペットについて興味を深めるきっかけにしていただければと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回の私の話が、皆さんの毎日の生活の中でちょっとした潤いになれば嬉しいです!

ABOUT ME
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古閑らいこう
トランペット歴25年。小学校でマーチングバンド、高校で吹奏楽部、大学で学生オーケストラに所属し、トランペットを担当。現在は地域の子どもたちの指導にあたっているほか、ビッグバンドのコンサート等で年に数回演奏を披露。

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