悲劇は練習後に起こる
全国のトランペット吹きの皆さん、こんにちは!
吹奏楽部で毎日練習している方、本当にお疲れさまです。
練習が終わると「いや~、今日もがんばって吹いたなぁ」という気持ちになりますよね。
そしてトランペットをケースにしまおうと、いつものようにマウスピースに手をかけ、抜……
「あれ!? 抜けない!?」
そんなことが起こったら、一気に青ざめてしまうと思います。
こういうとき、焦って間違った対応方法をとると、最悪の場合楽器を壊してしまうことになりかねません。
私も時々、マウスピースが抜けなくなって焦ることがあります。
結果的に、これまで特殊な器具や楽器屋さんのお世話になったことはありません。
金管楽器を吹いている人ならば誰にでも起こり得ることですので、最悪の事態にならないよう、マウスピースが外れないときの解決方法をご紹介していきます。
抜けないマウスピースを抜く方法!
さて、トランペットのマウスピースが抜けなくなったときの対処法です。
対処法①:しばらく待つ
対処法②:木槌などでマウスパイプを軽く叩く
対処法③:器具を使う
対処法④:楽器屋さんに持っていく
対処法①:しばらく待つ
非常にシンプルですが、私としては一番オススメの方法です。
マウスピースが抜けなくなる原因として、衝撃や振動などでマウスピースがマウスパイプにがっちりはまり込んでしまうことが挙げられます。
ですがそれ以上に、マウスピースを抜こうとする手の方にも原因があると、私は考えています。
思い返してみると、私がマウスピースが抜けなくなってしまう現象を経験したのは、秋から冬の時期が多かったように思います。
この時期は気温がぐっと低下するとともに、空気も乾燥しますよね。
手も乾燥してカサカサになっていることが多いです。
こういうときにマウスピースをひねって外そうとすると、手が滑って力が伝わらず、上手く外せないということが起こります。
実際、私は何か月か前にマウスピースが抜けなくなったことがありました。
その時はどうがんばっても外すことができず、「もう楽器屋さんに持っていくしかない」と諦めかけました。
それで、その日はマウスピースを付けたままの楽器を何とか持って帰ろうとしたのですが、そのままでは楽器ケースに入らないので「このまま持ち帰るのは怖いな」と不安になってきました。
ビッグバンドの練習場所には車で通っていたので、むき出しの楽器を車に載せるとかえって危険なのではないかと考えたのです。
しばらく逡巡した末に、「本当に抜けないのかな?」と思い、ダメ元でもう一度マウスピースに手をかけ、力を入れたところ……
なんと、あっさりと外れたのです。
思えば、初めにマウスピースを外そうとした時は、手が滑って上手く力が入らない感覚がありました。
少し時間を置いたことで、手に潤い(?)が戻ったのか、それとも楽器に温度変化があったためなのか、詳しいメカニズムはわかりません。
ただ、それ以前に同様の事態に陥った時にも、少し待ってから外すと上手くいったように記憶しています。
原因がわからない現象を紹介するのはちょっと心苦しいのですが、焦らず、まずはちょっと待ってみると良いと思います。
対処法②:木槌などでマウスパイプを軽く叩く
これは、大学時代に先輩から教わった方法です。
楽器のマウスパイプのマウスピースが入っている部分を、木でできたハンマー状のもので軽く叩いていきます。
振動を加えることで、マウスピースと楽器の接合部が離れやすくなるようにするのだと思います。
楽器を傷めないように、叩く部分には必ず布などを巻くようにしてください。
楽器が凹んでしまう恐れがありますので、力を入れ過ぎてはいけません。
金槌を使うのも、もちろんNGです。
この方法は、話には聞いたものの、私は実践したことがありません。
ただ、楽器屋さんでも同様のことをしていた記憶がありますから、効果はあるはずです。
問題は、抜けなくなったときにちょうどよい木槌が近くにあるかどうかですね。
力加減も難しそうなので、あまりお勧めはしませんが、どうしようもないときには試してみてもいいかもしれません。
対処法③:器具を使う
こうした緊急事態のための、便利な器具があります。
それがこちら。
その名も「ヌッキー」。
抜けなくなったマウスピースを外すための、専用のアイテムです。
マウスピースと楽器をそれぞれ固定し、ねじを回してマウスピースと楽器の間を徐々に離していくというしくみになっています。
これがあればもう大丈夫!
ちょっとお値段が張りますが、確実に、しかも楽器を傷めずにマウスピースを外すことができるのは嬉しいですね。
困ったときのために一台持っておくと安心です。
対処法④:楽器屋さんに持っていく
一番確実な方法です。
プロにお任せすれば、楽器を壊すことなく、確実に問題が解決します。
費用もそれほどかかりません。
注意点は、楽器を持っていくまでに壊さないようにすること。
上の方でも書きましたが、マウスピースを装着した状態だとトランペットがケースに入らない場合が多いです。
お近くに楽器屋さんがない場合は車で運んでいくことになると思いますので、楽器が転がったりぶつかったりしないように気を付けてください。
抜けなくなったときにやってはいけないこと!
マウスピースが取れなくなったときに、絶対にやってはいけないこと、それは、
力づくで外そうとすること
です。
外れなくなったときに焦る気持ちはよくわかります。
ただ、無理矢理引き抜こうとすると楽器が壊れてしまいますから、お近くの力自慢の友達に頼るのはやめておきましょう。
楽器は大切に扱おう!
マウスピースが抜けなくなる原因で多いのが、楽器をどこかにぶつけてしまうことです。
それほど激しくぶつかっていないと思っても、マウスパイプは細い金属管ですから、歪んでしまうことが多々あります。
私が高校生の時、吹奏楽部の同級生が、置いてあった先輩のトランペットを誤って落としてしまい、マウスピースが抜けなくなってしまうという事件がありました。
その時は、学校の近くにあった楽器屋さんに持ちこんで修理してもらい、事なきを得ました。
何もしていない私まで、なぜか一緒に先輩に謝らされ、修理にも同行させられたのは謎なのですが……
まぁおかげで、修理の様子を見ることができたのでいい経験になったと思っています。
楽器をぶつけていなくてもマウスピースが抜けなくなることはあるのですが、普段から楽器は丁寧に扱うように心がけましょう。
音楽を奏でるために、なくてはならない「相棒」なのですから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回の私の話が、皆さんのトランペットライフに少しでも役立てば嬉しいです!